白内障が再発!?治癒は? 現代医療の基本
- sinsirokeibi
- 1月26日
- 読了時間: 10分

白内障が再発するって本当?手術後に視力が下がったら不安になりますよね。この記事では、白内障の再発のメカニズム、後発白内障との違い、治療法、そして食事による予防法まで、詳しく解説します。白内障手術後の不安を解消し、適切なケアに役立つ情報が満載です。結論として、白内障の再発は稀で、後発白内障は安全なレーザー治療で治癒可能です。食事で予防できる可能性も理解し、健康な目を維持しましょう。
1. 白内障の再発ってどういうこと?
白内障手術を受けた後、再び視力が低下してしまうと、「白内障が再発したのでは?」と不安になる方もいるかもしれません。しかし、術後に視力が低下したからといって、必ずしも白内障が再発したとは限りません。白内障手術後の視力低下の原因には、いくつかの可能性があり、その中でも「後発白内障」と呼ばれるものが最も一般的です。
1.1 白内障手術後の視力低下は必ずしも再発ではない
白内障手術は、濁ってしまった水晶体を取り除き、人工レンズを挿入する手術です。手術自体は成功しても、術後に様々な原因で視力が低下することがあります。例えば、ドライアイ、角膜内皮障害、黄斑変性症、緑内障、網膜剥離といった他の眼疾患が原因で視力が低下することもあります。また、眼内レンズの度数が合っていない場合や、眼内レンズがずれてしまった場合にも視力低下が起こり得ます。そのため、視力が低下した場合は、すぐに白内障の再発だと決めつけずに、眼科を受診して原因を特定することが重要です。
1.2 後発白内障とは?
白内障手術後、最も一般的な視力低下の原因は「後発白内障」です。白内障手術では、水晶体の中身である水晶体核と皮質を取り除き、水晶体の外側にある薄い膜(水晶体嚢)を残して、その中に人工レンズを挿入します。この水晶体嚢は、通常は透明ですが、術後、時間の経過とともに水晶体上皮細胞が増殖し、水晶体嚢の後嚢が濁ってくることがあります。これが後発白内障です。後発白内障は、白内障の再発ではなく、手術後の合併症の一つです。白内障手術を受けた方の約半数に、術後数年以内に後発白内障が起こると言われています。
1.3 本当の白内障の再発は稀
白内障手術で水晶体嚢の中身は取り除きますが、嚢自体は残されています。この残された水晶体嚢にごく稀に細胞が増殖し、濁ってしまうことがあります。これが「真の白内障再発」です。後発白内障と比較して非常に稀なケースです。
種類 | 原因 | 症状 | 治療法 |
後発白内障 | 水晶体嚢の後嚢の濁り | かすみ目、視力低下 | YAGレーザー後嚢切開術 |
真の白内障再発 | 残された水晶体嚢の細胞増殖 | かすみ目、視力低下 | 手術 |
2. 白内障が再発した時の治癒は?後発白内障の治療法
白内障手術は非常に成功率の高い手術ですが、術後に視力が低下することがあります。これは必ずしも白内障が再発したことを意味するわけではなく、多くの場合、後発白内障と呼ばれる現象が原因です。
2.1 YAGレーザー後嚢切開術
後発白内障の治療は、YAGレーザー後嚢切開術と呼ばれる方法で行います。これは、濁った後嚢にレーザーを照射して小さな穴を開け、光が網膜に届くようにする治療法です。痛みはほとんどなく、数分で終了します。点眼麻酔で行うため、入院の必要もありません。この治療により、多くの場合、視力は回復します。
YAGレーザー後嚢切開術は、白内障手術を受けた方の約30~50%に必要となる比較的よくある処置です。手術後、数ヶ月から数年で発症する可能性があります。視力がかすんだり、ぼやけたりするなどの症状が現れたら、すぐに眼科を受診しましょう。
2.2 手術の合併症とリスク
YAGレーザー後嚢切開術は安全な治療法ですが、ごく稀に合併症が起こる可能性があります。主な合併症とリスクは以下の通りです。
合併症 | 症状 | 発生頻度 |
眼圧上昇 | 眼痛、頭痛、吐き気 | 稀 |
後嚢破裂 | 視力低下 | 非常に稀 |
網膜剥離 | 視野欠損、光視症 | 非常に稀 |
眼内炎 | 眼痛、充血、視力低下 | 非常に稀 |
嚢胞様黄斑浮腫 | 視力低下、中心暗点 | 稀 |
これらの合併症は適切な処置を行えば、多くの場合、改善します。しかし、万が一、これらの症状が現れた場合は、速やかに眼科医に連絡することが重要です。また、術後の定期検診を必ず受けるようにしましょう。定期検診を受けることで、早期に合併症を発見し、適切な治療を受けることができます。
YAGレーザー後嚢切開術は、後発白内障の唯一の治療法です。他の治療法はなく、自然に治癒することもありません。視力低下などの症状に気づいたら、早めに眼科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
3. 白内障の再発予防!食事でできることはあるの?
白内障の再発予防、特に食事療法に注目が集まっています。残念ながら、一度除去した白内障が食事によって元に戻ることはありません。しかし、白内障の進行を遅らせたり、術後の後発白内障の予防に役立つ可能性のある栄養素は存在します。バランスの良い食生活を送り、これらの栄養素を積極的に摂取することで、目の健康維持に努めましょう。
3.1 白内障の進行を遅らせる可能性のある栄養素
白内障の進行に関与する酸化ストレスを抑制する栄養素が注目されています。具体的には、以下の栄養素が挙げられます。
3.1.1 抗酸化ビタミン(ビタミンC、ビタミンE、β-カロテンなど)
ビタミンCは、水晶体の酸化を防ぐ働きがあります。ブロッコリー、柑橘類、イチゴなどに多く含まれています。ビタミンEも抗酸化作用が高く、アーモンド、アボカド、植物油などに豊富です。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などに含まれています。
3.1.2 ルテイン、ゼアキサンチン
ルテインとゼアキサンチンは、目の黄斑部に多く存在する色素成分です。強い抗酸化作用を持ち、ブルーライトなどから目を守る働きがあります。ほうれん草、ケール、ブロッコリーなどに多く含まれています。
3.1.3 その他の栄養素
その他にも、ビタミンB群、亜鉛、ミネラルなども目の健康維持に重要です。これらの栄養素は、様々な食品に含まれています。
栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品 |
ビタミンC | 水晶体の酸化を防ぐ | ブロッコリー、柑橘類、イチゴ |
ビタミンE | 抗酸化作用 | アーモンド、アボカド、植物油 |
β-カロテン | 抗酸化作用(ビタミンAに変換) | にんじん、かぼちゃ、ほうれん草 |
ルテイン | 抗酸化作用、ブルーライトから目を守る | ほうれん草、ケール、ブロッコリー |
ゼアキサンチン | 抗酸化作用、ブルーライトから目を守る | ほうれん草、ケール、ブロッコリー |
ビタミンB群 | 目の健康維持 | 肉類、魚類、豆類 |
亜鉛 | 目の健康維持 | 牡蠣、牛肉、ナッツ類 |
3.2 バランスの良い食事が大切
特定の栄養素に偏ることなく、様々な食品をバランス良く摂取することが重要です。主食、主菜、副菜を揃え、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
3.3 サプリメントに頼りすぎない
サプリメントはあくまで補助的なものです。まずは食事から栄養を摂取することを心がけ、サプリメントに頼りすぎないようにしましょう。過剰摂取は体に悪影響を及ぼす可能性もあります。もしサプリメントを摂取する場合は、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
4. 白内障手術後の注意点 食事編
白内障手術を受けた後は、視力の回復を促し、合併症を防ぐためにも、食事に気を配ることが大切です。バランスの良い食事を心がけ、目に良い栄養素を積極的に摂取しましょう。
4.1 規則正しい食生活
手術後は、体が回復しようとするため、栄養をしっかりと摂ることが重要です。しかし、生活リズムが乱れたり、食欲が不安定になったりする方もいるかもしれません。3食きちんと食べることを意識し、規則正しい食生活を送りましょう。消化の良いものを選んだり、少量ずつ複数回に分けて食べるのも良いでしょう。
4.2 目に良いとされる食材を積極的に摂る
白内障手術後の目の健康維持には、特定の栄養素が重要です。これらの栄養素を豊富に含む食材を積極的に摂り入れましょう。下記の表を参考に、バランスの良い食事を心がけてください。
栄養素 | 働き | 多く含まれる食品 |
抗酸化ビタミン(ビタミンC、ビタミンE、β-カロテンなど) | 活性酸素から目を守る | ブロッコリー、ほうれん草、かぼちゃ、みかん、いちご |
ルテイン、ゼアキサンチン | 水晶体の酸化を防ぎ、視機能を維持 | ほうれん草、ケール、ブロッコリー、卵黄 |
ビタミンB群 | 目の神経機能を正常に保つ | 豚肉、レバー、うなぎ、玄米 |
DHA・EPA | 血流を改善し、目の細胞に栄養を届ける | まぐろ、いわし、さば、さんま |
亜鉛 | ビタミンAの働きを助ける | 牡蠣、牛肉、卵、チーズ |
これらの栄養素は、サプリメントで補うこともできますが、まずはバランスの良い食事から摂取することを心がけましょう。サプリメントはあくまで補助的な役割と考えて、過剰摂取には注意してください。主治医や薬剤師に相談しながら摂取量を決めると安心です。
また、水分をこまめに摂ることも大切です。水分不足は、目の乾燥や疲れを引き起こす可能性があります。特に手術後は、目が乾燥しやすくなっているので、意識的に水分補給をしましょう。お茶やコーヒーではなく、ノンカフェインの飲み物や水を飲むのがおすすめです。
5. 白内障と診断されたら?まずは眼科専門医へ
白内障は自然に治癒する病気ではないため、早期発見・早期治療が大切です。少しでも白内障の症状が疑われる場合は、自己判断せずに、速やかに眼科専門医の診察を受けましょう。
5.1 自己判断は危険!
目の症状は様々で、白内障以外にも様々な病気が考えられます。例えば、緑内障、加齢黄斑変性、網膜剥離など、放置すると失明につながる危険な病気も存在します。インターネットの情報だけで自己判断し、適切な治療のタイミングを逃してしまうと、視力回復が難しくなる可能性があります。目の症状を感じたら、必ず眼科専門医を受診し、正確な診断を受けることが重要です。
市販の目薬の中には、症状を一時的に緩和する効果があるものもありますが、根本的な治療にはなりません。目薬で様子を見ている間に病状が悪化してしまう可能性もあるため、自己判断での使用は避け、眼科医の指示に従いましょう。
5.2 定期的な検診の重要性
白内障は初期段階では自覚症状がない場合が多く、気づかないうちに進行していることがあります。特に40歳を超えたら、年に一度は眼科検診を受けることをおすすめします。早期発見によって、適切な治療や生活指導を受けることができ、進行を遅らせることができる可能性があります。
また、白内障手術後も、後発白内障などの合併症のリスクがあるため、定期的な検診は欠かせません。医師の指示に従って、適切な間隔で検診を受け、目の健康を維持しましょう。
白内障の進行度合い、生活環境、全身状態などによって、適切な治療法や生活指導は異なります。眼科専門医は、個々の状況に合わせて最適なアドバイスをしてくれます。安心して治療を受けるためにも、信頼できる眼科専門医を見つけることが大切です。
症状 | 対処法 |
かすみ目 | 眼科専門医の受診 |
視界がぼやける | 眼科専門医の受診 |
光がまぶしく感じる | 眼科専門医の受診 |
ものが二重に見える | 眼科専門医の受診 |
眼鏡やコンタクトレンズの度数が合わなくなる | 眼科専門医の受診 |
上記のような症状は白内障以外にも様々な眼疾患で起こりうるため、自己判断は禁物です。少しでも異変を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう。
6. まとめ
白内障手術後の視力低下は、必ずしも白内障の再発ではなく、後発白内障の可能性があります。後発白内障はYAGレーザー後嚢切開術で比較的簡単に治療可能です。白内障の再発予防には、抗酸化ビタミンやルテインなど、目に良い栄養素を含むバランスの良い食事が大切ですが、サプリメントの過剰摂取は避けましょう。目の健康のためにも、定期的な眼科検診を心がけましょう。
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