交通誘導で使う無線機の実践的使い方教えます&免許不要の特小の紹介
- sinsirokeibi
- 1月16日
- 読了時間: 12分

交通誘導で使う無線機、どう選べばいい?免許不要で使えるおすすめの機種、基本的な使い方、交通誘導特有の無線用語まで網羅的に解説!この記事を読めば、無線機選びの失敗を防ぎ、現場でスムーズにコミュニケーションが取れるようになります。適切な機種選びで、安全で効率的な交通誘導を実現しましょう。
特定省電力トランシーバー(特小)は短距離の見通しの悪い場所での片側交互で使われます。主に町中での使用が多いです。充電式と乾電池式があります。使い方に応じて使い分けしましょう。費用が安く、登録不要ですぐに使えます。
1. 交通誘導で必要な無線機とは
交通誘導業務は、安全かつ円滑な交通の流れを確保するために非常に重要な役割を担っています。円滑なコミュニケーションは、交通誘導を成功させるための必須条件であり、そのための重要なツールとなるのが無線機です。複数人で連携を取りながら、現場の状況をリアルタイムで共有し、迅速かつ的確な指示を出すためには、無線機は欠かせません。この章では、交通誘導で必要となる無線機の種類や選び方について詳しく解説します。
1.1 免許不要で使える特定小電力トランシーバー
交通誘導で一般的に使用されるのは、特定小電力トランシーバーです。これは、総務省が定める技術基準適合証明を取得した無線機で、免許なしで使用することができます。手軽に導入できるため、多くの現場で活用されています。特定小電力トランシーバーは、出力電力が小さく通信範囲が限定されているため、他の無線通信への干渉が少ないというメリットがあります。また、登録申請や免許取得の手続き、費用も不要であるため、導入コストを抑えることができます。
1.2 交通誘導に適した無線機の選び方
特定小電力トランシーバーにも様々な機種があり、それぞれに特徴があります。交通誘導の現場に適した無線機を選ぶためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。以下に、重要な選定基準をまとめました。
1.2.1 通信距離
交通誘導を行う場所の広さによって必要な通信距離は異なります。市街地など障害物が多い場所では通信距離が短くなるため、使用する環境に適した通信距離を持つ機種を選びましょう。メーカーのカタログスペックだけでなく、実際の使用環境を想定して選ぶことが重要です。
1.2.2 チャンネル数
複数のチームが同時に無線機を使用する可能性がある場合は、チャンネル数を多く持つ機種を選ぶことで、他のチームとの混信を防ぎ、スムーズなコミュニケーションを確保できます。また、中継器を使用することで通信範囲を拡張できる機種もあります。
1.2.3 バッテリーの持ち
長時間の交通誘導業務では、バッテリーの持ちが良い機種を選ぶことが重要です。予備バッテリーを用意しておくことも有効ですが、充電の手間やバッテリー切れのリスクを軽減するためにも、大容量バッテリー搭載機種や省電力機能を備えた機種を検討しましょう。
1.2.4 耐久性・防水性
交通誘導は屋外で行われることが多いため、雨や埃に強い耐久性・防水性を備えた機種が適しています。特に、建設現場やイベント会場など、過酷な環境で使用する場合には、防水・防塵規格(IP等級)を確認しましょう。
1.2.5 価格
無線機の価格は、機能や性能によって大きく異なります。予算に合わせて適切な機種を選ぶことが重要です。必要最低限の機能を備えた低価格帯の機種から、高機能・高性能な機種まで、幅広い選択肢があります。
選定基準 | ポイント |
通信距離 | 使用環境に合わせた通信距離の機種を選ぶ |
チャンネル数 | 複数チームでの使用を考慮し、十分なチャンネル数を確保 |
バッテリーの持ち | 長時間の使用に耐えられる大容量バッテリー搭載機種を選ぶ |
耐久性・防水性 | 屋外使用を考慮し、防水・防塵性能の高い機種を選ぶ |
価格 | 予算に合わせて適切な機種を選ぶ |
2. 交通誘導における無線機の使い方
交通誘導業務において、無線機は円滑なコミュニケーションに不可欠なツールです。的確な指示を迅速に伝えることで、安全な交通環境を確保します。ここでは、交通誘導における無線機の基本的な操作方法と、現場でよく使われる無線用語、そして具体的な使用例をご紹介します。
2.1 基本的な操作方法
無線機を使いこなすには、基本的な操作方法を理解することが重要です。電源のオンオフからチャンネル設定、音量調整、そしてスムーズな通話方法まで、一つずつ確認していきましょう。
2.1.1 電源の入れ方・切り方
ほとんどの機種では、電源ボタンを長押しすることで電源をオンオフできます。機種によっては、回転式のスイッチで電源を入れるものもあります。使用後は必ず電源を切り、バッテリーの消耗を防ぎましょう。
2.1.2 チャンネルの設定
交通誘導では、あらかじめ決められたチャンネルを使用します。チャンネルの設定方法は機種によって異なりますが、一般的にはチャンネルボタンを押しながらダイヤルを回す、または上下ボタンで選択する方式が主流です。設定したチャンネルを間違えると通信できないため、作業前に必ず確認しましょう。
2.1.3 音量調整
周囲の環境に合わせて音量を調整することは、円滑なコミュニケーションのために重要です。音量ボタンを使って適切な音量に設定しましょう。騒音の激しい場所では音量を大きく、静かな場所では音量を小さくすることで、聞き取りやすさが向上します。
2.1.4 通話方法
通話ボタンを押しながら話しかけ、話し終えたらボタンを離します。通話ボタンを押している間だけ電波が送信されるため、無駄な電波の送信を防ぎ、他の無線機との混信を避けることができます。また、明瞭な音声で簡潔に話すことも重要です。早口や不明瞭な発音は、誤解や伝達ミスにつながる可能性があります。
2.2 交通誘導特有の無線用語と例文
交通誘導では、特定の用語や表現を用いることで、迅速かつ正確な情報伝達を行います。以下に、代表的な用語と例文をまとめました。
用語 | 意味 | 例文 |
どうぞ | 送信許可、または指示の確認 | A地点からB地点まで、どうぞ。 |
了解 | 指示を受けたことを伝える | B地点まで、了解。 |
○○までどうぞ | 特定の場所までの通行許可 | C地点までどうぞ。 |
○○了解 | 指示内容の復唱と確認 | C地点了解。 |
こちら○○、以上 | 自分の位置と送信終了を伝える | こちらD地点、以上。 |
○○、どうぞ復唱願います | 指示内容を聞き取れなかった際に復唱を求める | 指示内容、どうぞ復唱願います。 |
先に伝えた内容に誤りがあった場合に訂正する | C地点、訂正 D地点。 | |
待機 | 指示があるまで待機するよう指示する | 車両進入まで、待機。 |
これらの用語と例文を参考に、現場での円滑なコミュニケーションを図りましょう。状況に応じて適切な用語を使用することで、誤解やトラブルを未然に防ぐことができます。 また、無線機を使用する際は、常に周囲の状況に気を配り、安全第一で行動することを心がけましょう。
3. 免許不要のおすすめ無線機
交通誘導業務に適した、免許不要で使用できるおすすめの特定小電力トランシーバーを3機種紹介します。それぞれの機種の特徴を比較し、あなたのニーズに合った無線機を選んでください。
3.1 ケンウッド UBZ-LS20
ケンウッドのUBZ-LS20は、シンプルながらも高機能なトランシーバーです。クリアな通話品質と長いバッテリー駆動時間が特徴で、長時間の交通誘導業務でも安心して使用できます。また、コンパクトで軽量なデザインなので、持ち運びにも便利です。さらに、VOX機能を搭載しており、ハンズフリーでの通話も可能です。VOX機能を使うことで、両手が自由になり、より安全に交通誘導を行うことができます。
特徴 | 詳細 |
通信距離 | 約1km~2km(市街地) |
チャンネル数 | 9+11ch(交互通話モード) |
バッテリー駆動時間 | 約11時間(アルカリ乾電池使用時) |
防水性 | IP44相当の防塵・防沫性能 |
その他機能 | VOX機能、グループ通話機能、秘話機能など |
3.2 アイコム IC-4300
アイコムのIC-4300は、堅牢なボディと優れた耐久性を誇るトランシーバーです。防塵・防水性能にも優れており、多少の雨や埃の中でも安心して使用できます。また、大音量でクリアな音声を実現しており、騒がしい環境下でもスムーズなコミュニケーションが可能です。さらに、単3乾電池1本で駆動するため、電池交換の手間も軽減されます。
特徴 | 詳細 |
通信距離 | 約1km~2km(市街地) |
チャンネル数 | 20ch + 中継チャンネル27ch |
バッテリー駆動時間 | 約18時間(アルカリ乾電池使用時) |
防水性 | IP54相当の防塵・防水性能 |
その他機能 | トーンスケルチ機能、オートパワーオフ機能など |
3.3 アルインコ DJ-CH202
アルインコのDJ-CH202は、コストパフォーマンスに優れたトランシーバーです。基本的な機能を備えつつも、リーズナブルな価格で購入できるため、初めてトランシーバーを使う方や、予算を抑えたい方におすすめです。小型軽量で持ち運びやすく、シンプルな操作性で誰でも簡単に使用できます。また、中継通話対応機種なので、オプションの中継器を使用することで通信エリアを拡大することも可能です。
特徴 | 詳細 |
通信距離 | 約1km~2km(市街地) |
チャンネル数 | 20ch + 中継チャンネル27ch |
バッテリー駆動時間 | 約10時間(アルカリ乾電池使用時) |
防水性 | IPX4相当の防水性能 |
その他機能 | VOX機能、秘話機能、ベルコール機能など |
これらの機種以外にも、様々なメーカーから特定小電力トランシーバーが販売されています。それぞれの機種の機能や価格を比較し、ご自身のニーズに合った最適な一台を選んで、安全で効率的な交通誘導業務に役立ててください。
4. 無線機を使う上での注意点
交通誘導で無線機を使う際には、安全かつ円滑な運用のため、いくつかの注意点を守る必要があります。電波法の遵守はもちろんのこと、他の無線機との混信回避、バッテリー管理、故障時の対応など、様々な側面に気を配ることが重要です。適切な使い方を理解し、責任ある運用を心がけましょう。
現場使用の重要ポイント
現場での重要点...誘導開始前に必ず無線チェックすること。交信できること、電池残量の確認、混線の有無。到着してすぐに電源オンにしておくと混線のトラブルを防ぎやすいです。更新チェックは、「こちら◯◯、無線チェック。応答願います。」「こちら△△、無線正常、聞こえます。」「こちら◯◯、了解、こちらも聞こえます。」などと、送信、受信のチェックを相互でしておきましょう。受信は出来るが、送信が出来ない場合があるので面倒ですが必ず3回の応答が必要です。使用時は、必要最小限の言葉を交わし、短めに応答。電池消耗と、他者からの通話の機会を最大限提供するためです。ややもすると意味の無いことをしゃべる人がいます。これは、受信者を混乱させ、電池を無駄に消耗させます。意味の無いこととは、相手に対する指示と此方の行動するに必要な相手の情報だけです。
ある現場で昼に電池が終わってしまったと連絡が入りました。別の日にベテラン同士が同じ現場で同じように無線機を使用。なんと、作業終了時の午後5時まで電池がもっとどころか、余っていたなんてことありました。いかに無駄話していたか、分かります。
電池の故障については、無線必須で故障した場合、工事継続が困難なときは、予備電池および予備機を必要台数持参。不慮の事態に対出来るのが優秀な警備員といえます。
4.1 電波法
無線機は電波法という法律によって規制されています。特定小電力トランシーバーは免許不要で利用できますが、出力や使用周波数などが定められています。法令に違反した使い方をすると罰則が科せられる可能性がありますので、必ず電波法を遵守しましょう。具体的には、出力の変更や改造は禁止されています。また、使用が禁止されている場所(航空機内など)では使用しないでください。電波法に関する詳細は、総務省のウェブサイトなどを参照してください。
4.2 他の無線機との混信
同じ周波数帯を使用する他の無線機と混信する可能性があります。特に、イベント会場や工事現場など、多くの無線機が使用されている場所では混信が起こりやすいです。混信を避けるためには、事前に使用チャンネルを確認し、他の無線機と重複しないように設定することが重要です。また、通話開始前に他の通信がないかを確認することも有効です。混信が発生した場合は、チャンネルを変更するか、通話を一時中断しましょう。
4.3 バッテリー管理
無線機のバッテリーは消耗品です。適切な充電と保管を行わないと、バッテリーの寿命が短くなったり、使用中に電源が切れてしまう可能性があります。使用後は充電を完了させ、高温多湿の場所を避けて保管しましょう。また、長期間使用しない場合は、定期的に充電を行うことでバッテリーの劣化を防ぐことができます。予備のバッテリーを用意しておくこともおすすめです。
4.4 故障時の対応
無線機が故障した場合は、自分で修理しようとせず、メーカーまたは販売店に相談しましょう。不適切な修理は、電波法違反となる可能性があります。また、故障した無線機を使い続けると、事故につながる可能性もあります。故障の兆候が見られた場合は、すぐに使用を中止し、適切な対応を取りましょう。
故障の兆候 | 対応 |
電源が入らない | バッテリーの残量、充電器の接続を確認。それでも電源が入らない場合はメーカーまたは販売店に相談。 |
音が聞こえない/相手に声が届かない | 音量設定、マイク・スピーカーの故障を確認。他の無線機と通信できるか確認。問題が解決しない場合はメーカーまたは販売店に相談。 |
通信距離が短い | 障害物の有無、他の無線機との混信を確認。バッテリーの残量が少ない場合も通信距離が短くなることがあるため、充電を確認。それでも改善しない場合はメーカーまたは販売店に相談。 |
本体が異常に発熱している | 直ちに使用を中止し、メーカーまたは販売店に相談。 |
上記以外にも、雨天時の使用には防水機能の有無を確認する、落下などの衝撃に注意するなど、無線機を長く安全に使うために、日頃から適切な取り扱いを心がけましょう。また、定期的な点検を行うことで、故障を未然に防ぐことができます。
5. まとめ
交通誘導で無線機を使う際は、免許不要の特定小電力トランシーバーが便利です。機種を選ぶ際は、通信距離やバッテリーの持ち、耐久性などを考慮しましょう。ケンウッド、アイコム、アルインコなどから、用途に合った機種を選べます。適切な使い方と電波法の遵守を忘れずに、安全な交通誘導に役立てましょう。
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